40代の初めに、腱鞘炎(けんしょうえん)になりました。気が付いたのは11月か12月。冬でした。
朝起きたら、両手がパンパンに腫れ上がるようになっていて、痛くてペンがとても持ちづらくなっていました。原因はわかりません。その頃、特に仕事が忙しい、というほどでもなかったし。
絵の仕事をしていると、腱鞘炎は職業病、といえますが、かからない人だっています。なにがいけなかったんだろう?
とにかく気がつくと、両手とも腫れてきて、ペンを持つのがつらくなってきていました。
40代のある日、気がついたら腱鞘炎になっていた
でも思い返して見ると、きっかけはあったような気がします。
夏、庭に防虫剤を撒くのに、噴霧器のようなものを使っていて、毎日やっているうちに、すごく腕が疲れるようになっていました。
ずっとスジとか肘が痛かった気がします。
四十肩と同時になったので よけい痛かった…
それからもうひとつ。四十肩と同時になってしまったのです。右側の方が痛くて、腕が上がらない。腱鞘炎も困りましたが、四十肩の痛みがとてもつらかった。
夜中、痛くて寝返りも打てず、痛みで目が覚めてしまったり。
マッサージに行きましたが、すごく痛いのに、
「もう良くなっていますよ。」と言われたり。
よくなってると言われてもすごく痛いし、腕が上がらないし。これは腱鞘炎とは別の痛みですが。
一番困ったのは仕事でした。が、休み休みながらやれば、なんとか描くことはできました。
四十肩と一緒になってしまったので、いったいどっちの痛みなのか、どちらがつらいのか、なんだかよくわからず、ずっと気持ちも落ち込んだままでした。
でもそれをいっしょに書くとテーマがバラけてしまいますね。
なので、腱鞘炎になった時に仕事をどうしていたかにテーマを絞って書くことにします。
腱鞘炎になって困ったこと – 仕事、日常の動作が不便、家事はどうしていたか
日常の家事が、十分できないのも困りました。
包丁で切るものの量を減らして、煮物中心にしたり、お惣菜を買ってきたり。
買いに行くと、荷物を持つのも辛いので、電話して届けてもらったり。
日常の動作で困ったこと
*カボチャなど硬い野菜が切れない。
*ジャムなど瓶の蓋があけられない
*ブラジャーのホックが留められない
*ペットボトルがあけられない
*ジャケットやコートが着られない。
*後ろボタンが留められない
*着れるのは、前開きの服のみ。ニットのような柔かい素材だけ。
翌年の2月に、都内のギャラリーで個展をしました。
2月は都内で個展を開くことになっていました。
まだ痛くて、あまり描けませんでしたが、それが、四十肩から来るのか腱鞘炎のせいなのか、自分でもよくわからなくて。
個展自体は好評で、大きな仕事ももらったし、うれしくてがんばりました。湿布を貼ってなんとか無事に終えることはできました。
仕事はどうしていたか。
その後、仕事は一旦断ってしばらく手を使わないようにしていましたが、なかなか腫れは引かず。
7月にまた書籍の仕事が入ってきました。やりたいなぁ、でも手が腫れたままだし。
一応、その仕事は引き受けることにしました。
その頃、検索していて、ある漫画家さんの、腱鞘炎になってどうしているか、という実録ブログを見つけたから。
読んだら、元気が出てきて、治療しながら仕事を続けることができそうな気がしてきました。
気がつけば、四十肩の方は、痛みが治まってきていて(まだ肩は硬く凝り固まっていましたが)、そしたらようやくなんとかしようという意欲が出てきたのです。
手が専門の 整形外科で診てもらう
手が専門という整形外科を探して、見てもらいました。
いままで痛い、痛いと言っていましたが、一番困ってるのはどの部分なのか、と聞かれました。
右も左も腫れていて、朝起きると、こわばっているのです。
関節リュウマチの疑いもあるということで血液検査をしましたが全く異常なし。
それでよく確認したところ、一番腫れているのは、右の親指の関節だと気がつきました。
曲げようとすると、ばきっと音がしてすごく痛い。左より、右のほうが腫れていて、ほかの指も腫れているんだけれど、親指が一番使いにくいのです。
仕事ができなくて困っていること、すぐにも仕上げないといけない仕事があること、などを話したら、
「じゃあ、手術しましょう。」といきなり言われました。
腱鞘炎の手術を受けることにした
”手術時間は5分もかかりません。
局所麻酔をして、2,3分かなぁ、翌日から仕事できますよ”というのです。
あっという間に終わること、傷もほとんど残らないし、とにかく数日で、手全体の腫れも引いて来ることなど、説明されました。
ええー、でも。
でも。
ちょっと待って! 気持ちの準備ができてない。
でも手術すれば、すぐ仕事できるんだよね。
先生は ”明日、すぐ手術できますから、決心したら電話ください。」と。家に帰ってしばらく考えました。やっぱり手術お願いしよう。
手術をしました。
ざっと手に局部麻酔をかけます。消毒薬をザーッと塗って。
親指の付け根を、切開して。
そして、腫れ上がっている、腱鞘の一部を切るのです。
切った瞬間、何かずっと引っかかっていたものが、プツッと切れた気がしました。とたんに手が楽になって。
それから、縫って閉じてガーゼと絆創膏を貼って終わり。
「はい、終わりです。2分もかかっていませんよ。」
手術の痛みがあって、それで手全体は腫れていますが、指がすごーく楽!
費用は5000〜6000円くらいだったかな。保険が効くのでそんなにはかかりません。
翌日から、さくさく無事に仕事して納品できました。
手術後ですが、親指の付け根が、少しだけ、突っ張ったような感じがあります。が、日常の動作で困るようなことはほとんどありません。
でも、できるなら、手術に至る前に直したほうがいいと思います。
私の腱鞘炎、現在の状況はどうなっているか。
現在の状況も書いておきます。
問題なく、仕事はしていますが、実は完治したわけではありません。
時々、使いすぎたときなど、右の親指を曲げると、ばちん、と音を立てることがあってすごく痛いです。バネ指、と呼ばれるものです。
いまは、ああ、またか、という感じで、そういう時はちょっと休ませてあまり使わないようにします。
また手をグーとパー、広げたり閉じたりを30回とか、50回とか繰り返して、ほぐすようにしています。あとはお風呂に入った時にマッサージ。
使いすぎて、腱鞘炎かな、と思ったら、しばらく休んでみる。湿布を貼る。これで治ることもあります。
整形外科へ行っても、湿布を出すだけのところもたくさんありますから。行った意味ないかな、と思うことも。
もし、本当にひどくなってしまって、私のように手がパンパンに腫れてしまったら、手指専門の整形外科を探して、受診してください。
手は本当に大切な、いわば商売道具です。くれぐれも無理はしないように。
自分では直せそうにないな、と思ったら、必ず専門のドクターに診てもらってください。
木村隆芳と言います。 僕は絵本作家を目指して絵本を書いているのですが 朝比奈様の…
メッセージありがとうございます。もう本当に神経がすり減りますよね。 ターシャさん…
模写といってもむずかしく考えず、初めは人物をどこに配置しているか、大きいか小さい…
コメントありがとうございます。 大好きな方がフォローしてくださったんですね。あま…
はじめまして。「ターシャテューダー ねずみ」と検索していたら、あなたのブログに辿…