ボローニャ国際絵本原画展に応募するとき、気をつけたいこと

 

毎年、イタリアボローニャで、子供の本ばかりを集めたブックフェアが開かれています。

そのイベントの一環として開かれるのが、ボローニャ国際絵本原画展です。

ボローニャブックフェアのサイトはこちら。イタリア語です。

国も年齢もプロアマも問わず、誰でも応募できるコンテスト。入選したら、イタリアや日本、いくつか海外の美術館に展示されます。そして絵本出版のチャンスもつかめる(かもしれません)。

 

自分の作品が、絵本になって、海外で出版されるなんて!大きな飛躍のチャンスがつかめそうなイベントです。

 

 

私は、応募したことはありますが、入選したことはありません。

なのにこんな記事を書くのは、このコンテスト自体が絵描きにとって リスクを伴うものだからです。

 

[su_note note_color=”#feffde”]このコンテストに応募した際、

*EMSで送ったのに、応募先に届く前に紛失されてしまった人がいます。(応募できなかった&紛失)

*届いたけれど、受取人がいなかったとかで、戻ってきてしまった人がいます。(応募できなかった)

*応募したけれど、戻ってきた原画が、真っ二つに折られてしまった人がいます。(原画が傷ついた)

*入選したのに、板橋美術館に展示されず、原画ももどってこなかった人がいます。(入選したのに紛失)[/su_note]

 

これは、私自身や周囲の知り合いの絵本作家さんに、実際に起きた出来事です。

EMSで送ったのに、途中、ヒースロー空港から追跡できず。紛失してしまったと知らされました。それは私です。

もうこわくて、以来応募していません。

 

ボローニャの原画展は、あくまでイラストのコンテストであって、絵本の出版に必ずしも近づけるものではありません。

もしどうしても絵本を出版することが目的ならば、あまりこのコンテスト入選にこだわる必要はないと思います。

 

それでも応募してみたいですよね。

だって本当に入選して、それで大きなチャンスを掴んだ人が実際にいるんですから。

私が応募したのは、もう10年以上前ですし、今はもう少し郵便事情がよくなっているのではないかと思いますが、それでも紛失のリスクは常にあります。

以前はヨーロッパ中心だったのが、いまは世界中から応募者が来るようになりました。

 

もし応募するならば、できるだけ再現性のある技法で応募してください。

版画やデジタルがおすすめです。

 

一昨年、西宮で開かれたボローニャ絵本原画展を見に行きましたが、以前に比べ、ずいぶんデジタルの表現が増えていると感じました。

他国の応募者も、先に挙げたリスクを感じている人も多いでしょうし、イラストをデジタルで制作する人も格段に増えてきています。

アナログの原画に慣れていると、デジタル画を少々物足りなく感じるのですが、印刷してしまえばあんまり変わらない?のかな。

 

ガブリエルパケコの作品を見た時に感じましたが、完成度の高い見事なデジタル作品もきっと少しずつ増えてくるのだろうと思います。

ボローニャブックフェア

2012年、ボローニャのブックフェアに行きました。「みかちゃんとカポネ」が出版された翌年です。

これはブロンズ新社のブース。私の頭の左上に「みかちゃんとカポネ」が見えます。そのとなりは酒井駒子さんの絵本。ツペラツペラさんの立体絵本も並んでいます。

 

 

2012年のボローニャブックフェアは、ポルトガルの画家の特集でした。別記事で、この時のことをもう少し詳しく書きました。

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