わたしの 透明水彩 技法:何度もしつこく塗り重ねる

以前、同業の友人から、私がやっている水彩の技法を紹介したい、と言われました。どうやって描いているのかとても不思議なんだそうです。画材は何を使っているのかとか、どういう塗り方をしているのか、とか。

透明水彩の技法を教えて欲しいと言われたけど

私は主に透明水彩で描いています。

というとかなり驚かれます。色鉛筆かと思った、とか薄めたアクリル?とか、思うみたいです。なぜって、水彩の特徴をほとんど生かしていないから。

水彩特有のにじみ、ぼかし、かすれなどいずれも使いたくありません。筆跡も残したくないのです。

が、水彩の透明感と、ぼーっとしたふんわり感は出したい。

 

**通常の水彩の描き方はしていないので、水彩の描き方を勉強したいという方には参考にならないかもしれません。こういう描き方もあるのだと知っていただければ。

数冊の絵本、一般書の挿絵と装画、いくつかの広告の仕事など、いずれもメインは透明水彩です。

初期の頃は、ペン&水彩、モノクロの切り絵、コラージュなどの技法もありました。ペン&水彩はこれからも描くかもしれません。(時短になるので)

 

技法といっても、特別な秘密は何もありません。

薄めた絵の具をただひたすら塗り重ねていくだけ。塗り重ねることで深みが出ます。

私が使っている画材

これはみかちゃんとカポネの最初の見開き。

[su_note note_color=”#feffde”]私が使っている画材

*ウィンザーニュートンの透明水彩、

*筆は同じくウィンザーニュートンのシリーズ7の一番、三番、

ほかにホルベインのものも使う(筆も絵の具も)たまに、一部にグアッシュを使う、[/su_note]

別記事に、私の使っている画材を紹介しましたが。同じ画像ですが。絵の具はウィンザーニュートンの透明水彩。もう20年くらいこのメーカーのものをメインで使っています。

ホルベインのものもときどき使います。

筆は高価なのですが、コリンスキーセーブルのものを。

最近、ウィンザーニュートンが作らなくなったのか、在庫があまりありません。特にシリーズ7の、1番の筆。先日、伊東屋にも見当たらず、ネットでも売り切れ。他のメーカーで探したら、ラウニーとピカビアでも、コリンスキーセーブルを出しているようなので、これからはこちらで買おう。

透明水彩、塗り方の手順

1)アルシュ極細300g(水彩紙、)に、鉛筆の下描きをトレース。

**あらかじめ全体の色を決めておくこと。やり直しが困難なので。

2)ざっと全体に薄く、水を塗る。水です。絵の具じゃない。

3)うんと薄めた透明水彩を少しずつ、塗り重ねて行く。これが結構たいへんで飽きる。(でもやる。やる気が出て来るのは絵が8割くらい出来上がってきてから。)

4)時々ドライヤーで乾かしながら、さらに塗り重ねて行く。絵の具のにじみや筆跡は、丹念に塗り重ねていくことで少しずつ消すことができる。全体で5〜10回以上塗り重ねていきます。

時には、一部を色を薄くするために、塗ったものを水を塗って、落とす。ティッシュで拭き取る。ぼんやりした感じを出す。

頑丈なアルシュ紙だからこそできること。

5)きれいに塗り上がってきたら、全体の調子を見ながら、仕上げていく。

自身の水彩の技法について思うこと

いったい何回塗り重ねたんだろう、と思うくらいに塗り重ねると、ようやく納得のいく仕上がりになってくるのですが、そこにたどり着くまでがたいへんで、ものすごく時間がかかります。

結構へとへとになる。なので急ぎの仕事の時は、あんまり塗り重ねずに仕上げてしまいます。

こんな時間のかかる技法をやっているのに、印刷のときは必ず、

”色が薄いので濃くしていいですか、”ときかれます。

そして、印刷されると結構色味が違っていたりする。アクリルはあまりそういうことがないそうです。原画と、印刷での色の違いが少ない。

もしこれから、電子ブックになるならば、また色味については一考が必要かも。

私が、透明水彩を使い続ける理由

なので、今後は、アクリルをうんと薄めて描くのもありかなと思っています。

リキテックスプライム、とかね。

アクリルを最初の頃使っていたのですが、アクリルは、乾くと色が一段と鮮やかにあります。

気をつけないと、色味が強すぎて ぎらっとした印象になります。これが苦手で、透明感の美しい水彩を使うようになりました。

ただ透明水彩は、アクリルとは逆に、乾くと色が一段暗くなるのです。

水彩は、濡れている時が一番色が鮮やか。

なので、乾くと色味が落ちる、それを考慮して、なるべく明るめの色を使う必要があります。これも慣れですね。

透明水彩は、塗り重ねた時の、美しい透明感が大好きで。そして薄めた絵の具をなんども塗り重ねていくと深みが出る点も気に入っています。

あまり薄めずに濃い色を塗ったときよりも、ずっといい感じに仕上がります。

 

あと貧乏くさいと思われるかもしれませんが、水彩は、パレットに放置しておいた絵の具も、水で濡らせばまた使えるのです。

私がアクリル絵の具を使いこなせない理由

アクリルは、乾くと固まって取れなくなってしまいます。筆もすぐに洗わないとカチコチになってしまいます。ぐうたらな私には、この点も苦手だったのです。だって、コリンスキーの高い筆を使ってるのに、うっかり放置して固まってしまったら、すごく悲しい…。

色味に関しては、リキテックスプライムを使えば、塗った時そのままの色がかなり維持されるようになってきました。これは嬉しいです。

ほかに好きな絵の具は、テンペラかな。時間がかかりすぎるので、絵本やイラスト向きではありませんが。

 

以上、私の透明水彩の技法についてでした。

私が使っている画材についての記事はこちら。

下の画像は、1998年に描いたもの。透明水彩で、レース部分のみ白のグアッシュ。

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