30代になってしばらくたったとき、突然、イラストレーターになることに決めました。
他の記事でも、イラストレーターを目指した理由をいろいろ書いていますが、でもそんなに熟考したわけでもなく、なりたいから、なることにしたわけです。
イラストレーターになりたいから、なる
食べていけるのかとか、子育てしながらできるんだろうかとか、そんなことは一切考えませんでした。
なる。
決めた。
以上。
そこから、イラストレーターになるにはどうしたらいいのか考え始めました。
まず、私は、結婚していて専業主婦で、小さい子供が二人いること(下の子は1歳になったばかり)。
美術の専門教育は受けたことがない。
子供にすごく時間を取られていて、1日に使える時間が限られていること。
近くに美術系の学校やカルチャーセンターは全くない。
その頃、好きで読んでいた雑誌があり、そこでは毎月、イラストコンテストというものをやっていました。課題が出て、審査員が毎回、入選者を決めるのです。
よし、ここに応募してみよう、と決めました。
空いた時間になんとか描けるんじゃないかな、と思って始めたのですが。
これがまた、全くかけない。
自分でやるのは無理。描けない、と気がついた
まず基礎がないから、描けない。落書きみたいなのしか描いたことがない。
そのコンテストでは、画材としてリキテックスを使うことを勧めていました。
リキテックスって何?
調べて、どうやらアクリル絵の具らしいとわかって、取り寄せて見ました。
でも、まず絵の具が全然使えない。なんですぐ筆が固まるの?なんでパレットの絵の具もカチコチになってしまうの?
初めての時はもうパニックです。
いろいろ課題について考えるのは楽しいけど、描くのはかなり苦痛。それでも頑張って少しずつ描き始めると、子供が熱を出す。怪我をする。
主婦のあるあるですが、春と秋には、夫の親が、うちの狭いアパートにやってきて、何週間も滞在する。などなど。
結局、一度も応募できないまま、時間だけが過ぎて行きました。
通信講座を受講することにしました
ああ、わたしだめだな。このままでは、描けないんだ、と思いました。
なにかしら、強制力のある方法を考えなくてはいけない。
それが、講談社フェーマススクールズでした。
現在はもうなくなってしまいましたが、地方在住で、学校にも通えず、時間のない社会人にとって、こんなにありがたいものはありませんでした。
(ファーマススクールズは、元々アメリカの通信教育機関で、現在もアメリカにはちゃんと存在しています。ノーマンロックウェルやベン.シャーンなど、錚々たる画家やイラストレーターが講師を務めていたこともある、とても由緒ある美術教育機関なのです。)
日本の 講談社フェーマススクールズは、のちのち、勧誘が強引だとかで批判を受けたりしていましたが、そのせいで廃校になった?のかな。批判する人たちは、たぶん他に選択肢がある人なのかもしれません。
教育機関のたくさんある都会に住んでいたり、独身だったり、親の援助を受けられたりと。
私自身は、他に選択肢がないということで、雑誌の綴じ込みハガキ(アートタレントテスト、っていうのがあったんです)を出した時点で、勧誘と関係なく ちゃんと受講しよう、と決めていました。
3年間で70万という受講費用も、貯金を崩してなんとかしよう。
高いからこそ、元を取りたくなってきっとがんばれる、と思っていました。
いつかイラストレーターになりたい ではなく、なる、と決める
いつかイラストレーターになりたいと思っている人、多いですよね。
そのいつか、っていつですか。
なる。って決めてしまった方が良くないですか。
たとえば、3年後にイラストレーターになっている、と決める。
そこから逆算して行って、いま何をどうすればいいのか決めていく。
いつかなりたい、ではなく、なると決めて、そこから何をすべきか、やるべきことを決めるんです。
一旦社会人になってしまうと、忙しくて、毎日のルーティーンをこなすのでいっぱいいっぱいですが、それでもその気になれば時間は作れるはず。
私の場合ですが、やはりちょっと心配でした。3年で課題が全部終われるだろうか、と。
でも、課題があって、いついつまでに提出、となると、ちゃんと時間が取れることもわかってきました。
たいへんだけど、隙間時間を使う、子供の昼寝している時、夜子供が寝た後、とか、少しでもいいから描き進めておく、という風にして行きました。
それでも3年で終わることはできなくて、半年間延長してもらって、ようやく終了しました。
終わった時は、本当に感無量でした。
全部の課題をちゃんと最後までやり遂げられた、というのがすごくうれしかったです。
実際に終了してみると、まだまだだなぁと思うところも多々ありました。
じゃあ、つぎはどうしようかと考えて、月一度くらい通えばいいイラスト教室を見つけたので、教室のある東京まで通うことに決めました。
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