絵本を作ることは、一つの世界を自分で すべて 作り上げること

今、絵本を描いているのですが、いろいろと詰めて考えなくてはいけなくて、頭がいっぱいになっています。

自分で、おはなしを考え、絵も描いていく、というのは決めなくてはいけないことがたくさんあるのです。

 

まずおはなし、絵、キャラクターデザイン、全体の構成、色使い、デザイン、めくる効果、表紙、見返し、判型、

わぁ、めんどくさい。あれもこれもそれも。楽しいけど、たくさんの要素をまとめていかなくてはいけなくて。

 

いま、ちょうど、描いている絵本がそう言う時期で、頭がいっぱいになっています。

この感覚って、どこかで、何かに似ているなぁと思ったのですが。

 

そうだ、これって、ファッションにめざめたときと似ていると思いました。

 

若い頃、なんだか興味はあるんだけど、おしゃれってどうやってすればいいのかさっぱりわかりませんでした。田舎だし、まずお店がありませんでした。

元々センスが良くておしゃれな人にとってはどうと言うことのないことでも、すごく一生懸命考えていたような気がします。

手元にあるものでおしゃれしようと、シャツの重ね着、とかやっていて、親に

「はずかしい格好、するな!」と怒鳴られたこともあります。

重ね着!いいじゃん!工夫するその心意気がだいじなんだよう。

 

 

それからしばらくして、ある日、田舎から突然 大都会へ行き、おしゃれな街の会社で働くようになりました。会社には制服がありませんでした。

通勤にも、着ていくものは自分で決めなくてはいけません。そこでようやくおしゃれに目覚めました。

 

会社の行き帰りには必ずファッションビルに立ち寄りました。

見る服が楽しくて、いろいろ着てみたくて、でも何をどう選んでいくのかわからずにいたときと、感覚が似ています。

 

ファッションといっても、何を着るかだけでなく、全体の色使いやメークはどうするか?、ヘアは?靴は?バッグは?アクセサリーは?

全体では、どんな印象を持ってもらいたいか、

というような、とても楽しいのだけど、ものすごく頭を悩ませることがあり、いっぱい考えて一つ一つ、選びとっていきました。

 

いくつもの要素を自分で決めて行って、全体をまとめなくてはいけなくて。

 

そうして、1年くらいが過ぎた頃、口の悪い妹から、

「おねえちゃん、すっごくおしゃれになったね!」と言われた時は飛び上がるほどうれしかったです。

 

 

絵本を一冊仕上げることは、一つの世界を丸ごと自分で作り上げることです。

もちろん、そこに編集者のアドバイスがあったり、デザイナーの助けを得て、より良いものにしていくわけですが、最終的な判断は、著者本人に任されます。

途中、すごく迷います。よりよい世界を作っていきたい、とあれこれ考える。でもそれがおもしろい。

まだそんなに幾つも絵本を作ったわけではありませんが、絵本を作るって、めっちゃ楽しいよ!と声を大にして言いたいです。

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