NHK「バレエの王子になる!」ワガノワバレエ学校の青春物語!

NHK BS1「バレエの王子になる」が地上波で再放送!

このバレエ番組、本当によくできています。登場する若者たちがわりと本音で色々語ってくれてるのも興味深くて、おもしろい。

 

Eテレで、「バレエの王子になる」が再放送されます。地上波初!

11/30(土)の14:00から、NHK Eテレにて、再放送されます。地上波では、初めて。うれしい。

こちら。

「バレエの王子になる!」ワガノワバレエ学校の青春物語

もちろん女性はたくさん見る人がいると思いますが、男性でバレエに興味を持つ人って、日本では本当に少ないと思うので、そういう意味でも、この番組は貴重です。

NHK 「バレエの王子になる」は何度見てもおもしろい!

うちは、録画できない仕様なので、再放送のたびに、かじりつくようにしてこの番組を見ています。だって、何度見てもおもしろいですから。

この番組はバレエに人生をかけた若者たちの、青春物語。

ロシア ワガノワバレエ学校「バレエの王子になる」

ロシア、ワガノワバレエ学校の男子生徒、それも最終学年で、卒業試験と、就職活動にスポットを当てた、新しい視点のバレエ番組で。

これまで、海外で活躍する、バレエダンサー個人にスポットを当てた番組は何度かありました。
でも女性ダンサーが多かったし。

今回は男性ダンサーたち。バレエ学校の様子をこんなに丁寧に、よく取材してくれたなと思います。女性版も見たいな。

 

世界最高峰のバレエ学校、しかもその学年でもトップクラスに所属する優秀な何人かの生徒たちですが、かつてボリショイバレエの花形ダンサーだったニコライ.ツィスカリーゼに厳しい指導を受けています。

 

 

日系人のアロン君

日系イギリス人の、アロン君は身長が足りないけれど、努力と研鑽によって、周囲からは高い評価を得ていて。でもやっぱり身長が足りないから、王子役は難しいだろうと言われています。

そうかなぁ。小さな大会(2018年のワガノワプレ)で、一番拍手喝采を浴びていたのは、このアロン君で、観客賞、という特別賞をもらっていました。

小柄ではあるけれど、高い跳躍力や努力を高く評価されて、卒業公演では主役を任されます。

実際に劇場に就職すれば、彼には王子の役は回ってこないだろうから、という校長の配慮もあったようです。でもそれは、彼の実力と、日々の研鑽の賜物だから。

 

アロン君が、この番組終了後に、インタビューを受けた記事があります。とても努力家で、しっかりした考えを持っていて、これから楽しみです。王子を踊れるといいね。

 

そういえばKバレエの熊川氏が、ロイヤルにいた時、プリンシパルなのにあんまり王子様の役はもらえていなかったような?マキューシオとかドンキのバジルとか、あとブロンズアイドルとか。ああ、思い出すとなんだかね。

あの素晴らしい跳躍を、Kバレエで見られたからとってもよかったけど。

自分のバレエ団を作ったのは色々思うところがあったんでしょう。

 

話が逸れましたが、そういう持って生まれた体形など、バレエにおいて努力ではどうしようもない部分があって悔しいけど、アロン君ならきっと乗り越えて行きそうな気がします。

その後もずっと知りたいです。

大澤アロン、「バレエの王子になる」番組収録後のインタビュー

この本番組の中で、ツィスカリーゼは、コネもファンタジーも役に立たない、努力努力努力しかない、と言ってたけれど、アロン君はそのほかに「運」もあると思います、と語っています。

運とか出会い、とかは当然あります。ただそれらも、自分の努力や勤勉さや前に出て行く積極性が人を呼び寄せるようなところがあって。

やっぱり誰かがどこかで見ているんですね。

運もそういうところから開けて行くような気がします。

アルバイトに明け暮れるキリル、美しいダンサーだけど

私が印象に残ったのは、キリル。

ベラルーシ出身で、兄弟が3人もいて、親には頼れない。

モデルのアルバイトをして、ときどき実家にも仕送りをしています。

長身で美しくて、モデルのバイトを始めてすぐ、ヴォーグの表紙になるほどの美貌の持ち主。

だけど、バレエはいまひとつやる気がない。集中力もない。

というよりも、週末やバレエの授業のない日は、ずっとモデル業をやっているようだから、バレエへの集中ができないのは当然かも。休む時間もないし。

じっくり考えたり本を読んだりしてインプットする時間も取れないんだろうな。

怠け者!と先生から厳しく言われるんだけど、モデルのエージェントやスタッフからはきっと、美しいとか、いいね、とか散々言われるんだろうな。そのことが、キリルをスポイルさせることになるのをツィスカリーゼはとてもよくわかっています。

 

先生は、

「君を褒める人は、君の敵だ。それを自覚しなさい。」と。

容姿の美しさを褒められるだけでは、バレエの技術も向上しないし、高い芸術性を極めていくこともできない。

アルバイトに時間を取られて、疲れてしまうということもあるのだろうな。それでお金がもらえるのだし、まあいいか、ってなってしまうのかも。

風邪をひいて熱を出したり、やっぱりちょっとオーバーワークになってそう。卒業公演の役から外されてしまって、一人、部屋で絵を描いていたりする。

理由があってツィスカリーゼは役柄を外したのだけど、キリルはしょんぼりして、部屋で一人絵を描いている。

花の咲く高原の絵で、

「ここが今、僕のいきたい場所なんだ。」って。

 

私もネットショップで収入を得られるけれど、時間を奪われて、肝心の絵を描く時間が少なくなってしまう。特に、変なお客さんにクレームをつけられた時なんかは、実際の作業時間以上に余計な時間を奪われます。

でも食べていくためには仕方ない部分もあって、絵本のおはなしを書く、という点ではそのうち役に立つこともあるかもしれない。

 

 

それでもキリルは、ボリショイ劇場に就職が決まりました。がんばって。

容姿も生かして、ボリショイでうんと努力して一流のダンサーになって欲しい。聞くところによると、踊りではなく、立ち姿の美しさで選ばれたって....ええ〜???

やっぱり基礎ができてないから 鍛え直す必要がある、ってことらしいです。

 

キリルのインタビュー、すでにボリショイで役をもらって踊っています

現在のキリル君の様子を知りたい方はインスタで様子がわかります。

インスタで知ったのですが、10月にロシアの番組でインタビューを受けていて、それがネットで読めます。(英語とロシア語)

ボリショイの白鳥の湖で、ワルツを踊ってデビュー、最近の様子

キリルのインタビュー記事はこちらです。

**キリルのインタビュー記事

英語なので、ちょっと要約してみます。

どうしてワガノワバレエ学校に入ったかというと...

子供の頃、キリル君は近所の少女と一緒にダンスを習っていた、

そこにある日振付家がきて、この中で踊れる人は?ときかれて、キリル君は手を挙げた。

で、踊ってところ、すぐにその場で、振付家は、キリルの両親に電話をかけて、ベラルーシのバレエ学校に入るように進めた、でもバレエ学校までは1時間半かかるので断ったところ、毎日毎日電話がかかってきて、バレエをやるように進められた、

それで、ついにお母さんが決心して、キリル君をバレエ学校へ入れた、らしい。

その後は、もっとレベルアップするため、ワガノワを受けるように進められて、合格して3年生に編入された、とか。

でも子供の頃は、バレエダンサーにあんまり興味はなく、絵を描くことが好きだった、絵画教室に通っていて、地域のコンクールで賞を取ったこともある、だからアーティストになりたかった。

でも今はバレエをここまで続けたから極めたい。

絵を描くことは大好きで今もたくさん描いているとか。息抜きになるんでしょうね。

インスタのストーリーをたくさん保存していて、artの項目では、キリル君の描いた絵画作品がいくつも載っています。本当に楽しそう。大好きなんですね。

 

モデルの仕事は、最初は15歳のとき。インスタでイギリスヴォーグに声をかけられて、招待された。初めてモデルとして撮影を行った。その後17歳でロシアヴォーグの表紙になった。

モデルの仕事は、生活費を稼ぐために続けていたが現在はしていない。(もうボリショイからお給料が出るものね)

学校時代は、土曜日に授業が終わったあと、飛行機でコレクションや撮影の場所に行き、モデルの仕事を済ませて月曜の朝にまた飛行機で戻り、そのまま授業に出るという生活。

夏休みもずっとモデル業だった。

忙しくていろんなことをゆっくり考える時間がなかったって。

 

現在、ボリショイではコーチがついて、トレーニングを積んでいる、バレエをもっと極めたい。次の(バレエ公演の)計画もいろいろある とか。

 

とまあ、だいたいこんなことを語っています。

学校時代、やっぱり多忙でたいへんだったのだな、と。バレエの他に、自分で生活費を稼いで、実家にも仕送りして。本当にえらい!

だけどツィスカリーゼは、それを考慮はしない。だってバレエを極めるためにワガノワで学んでいるんだから。

 

卒業公演で突き放されて、ショックだったろうけど、キリルはようやく気が付いた部分もあったでしょう。ボリショイに入れて本当に良かった。

ボリショイ劇場のあるモスクワは 親戚が多くいることと、子供の時に舞台を見て、ここに入りたい!と思ったんだそうです。

 

10月にボリショイの公演「白鳥の湖」で、4人で踊る役をはじめてもらって(スペインの踊りらしい)、歴史的な舞台で6回踊ったというようなことも語っています。今は集中してバレエに打ち込んでいる様子。

尊敬するバレエダンサーは、シルヴィーギエムと、ワシーリエフ、バリシニコフ。

 

 

就職先が決まらないマルコ

もう一人、なかなか就職先が決まらない、マルコというダンサーがいました。彼は2番の成績で、すぐに決まるだろうと思われていたのに、落ちてばかりいます。

彼が入りたいのは、マリインスキー劇場かボリショイ。

なかなか合格しないマルコについては、校長が言います。

「彼の母国のフィンランドのバレエ団から、雇いたいというオファーが来ている。でもフィンランドのバレエ団に入るのは、バレエの裏街道をゆくようなものだ。

マルコには、一流のバレエ団にはいってもらいたい。私がいう一流とは、マリインスキー劇場、ボリショイ、パリ・オペラ座、この3つだ。」

えー??イギリスのロイヤルは?ハンブルクとかアメリカンバレシアターとかそういうのは、一流じゃないのかな?

まあ、ロイヤル方式とワガノワ方式は指導法も違うので、同列にはできないのかもしれないけど。

 

**マリインスキー劇場、ボリショイ、とパリ・オペラ座は国立なので、ここに所属するバレエダンサーの身分は、国家公務員です。ツィスカリーゼは、そういう意味も含めてだったのかもしれません。

 

 

日本におけるバレエの訓練方法は、ワガノワ式とロイヤル式の2種類

***日本のバレエ教室は、主にワガノワ方式とRAD(Royal Academy of Dance、英国ロイヤルスタイル)方式の二つで行われています。Kバレエはロイヤル、東京バレエ団はワガノワ式だと思います。

 

ワガノワ式の方がより体育会系で、引き締まった体型のダンサーが多いようです。が、正しく鍛えないと変な筋肉のつき方をする場合もあるそうで、どちらがいいとは言えませんね。そのもっと先、優れた踊りが踊れるのであれば、訓練法はどちらでもいいのです。

 

最初にとっつきやすいのはRADの方だという気がしますが。(私は、大人になってからですが両方のバレエ教室で習ったことがあります)

 

体重を減らすように言われていた女性ダンサー

体重をもっと減らすように言われた女子学生もいました。

あと5kg減らしなさい。減らせなかったら落第なのです。

バレエは、持って生まれた容姿がものをいう残酷な職業でもあります。美しくないものは去るべき。早くに適性を見極めてあげて、バレエに向かない人は少しでも早く、方向転換できるようにとの配慮でもあるのですが。

見た所、太ってないし、何がいけないのか、私たちにはわかりませんでしたが、その女子ダンサーは、これ以上体重を減らす努力などもうできない、といってやめていきました。

 

持って生まれた体型、体質はあるのですが。

女性ダンサーは、体重の点で、男性ダンサーに比べてハンデを負っています。

女性ダンサーの体重は、標準よりも2割ほど軽いことが求められます。男性ダンサーのほとんどは標準体重でいいのに。

女性は男性にリフトしてもらわなくてはいけないので、より軽い体重が求められるのです。しかもその軽い体重で、強靭な筋力はつけなくてはいけません。

とても厳しい、まさにバレエに向いた体型の女性しかバレエダンサーになれないのです。

 

 

登場した人たちのインスタグラムがあります。

校長先生はじめ、取材されていた4人の生徒たち全員のインスタグラムがあります。

アロンもキリルもミーシャもツィスカリーゼもフォローしてます。

いつかこの人たちのその後も放送して欲しい。楽しみにしています。

 

 

校長のツィスカリーぜは、生徒みんなのおかあさんみたいだった。

ツィスカリーゼが最後の方で言います。

ダンサーは舞台で美しく輝く泡しか見せてはいけない。泡のなかには、血と汗と涙が浮かぶ」

「コネもファンタジーも通用しない。奇跡も起きない。ただひたすら努力、努力、努力。」

 

校長先生のツィスカリーゼはすごくきびしいのですが、同時に、深い愛情をもって、これからバレエの奥深い世界に飛び込んで行く若者たちを真剣に指導しています。

口が悪くて、観客にクソを見せる気か、なんて言ったりもするんですが、大事な卒業試験の時は、一人一人の髪型を整えてあげたり、キリルが熱を出せば、手を引いて、医務室に連れて行き、太い注射でも座薬でもいいからすぐに直してくれ、と言ったり。

高熱でふらふらになっていたキリルに、リタイヤはさせない。立て、出番だ、という。

 

ツィスカリーゼの着ていたTシャツの柄もおもしろくて、ツッコミどころ満載でした。

 

 

こうして見終わってみると、たしかに少年たちの今後は気になるけれど、ツィスカリーゼが主役のドラマだったのかな、という気もします。

深く熱く、厳しい、そしてユーモアもあって、本当に真剣に生徒の将来を考えている先生でした。

 

 

 

**大人になってから、某有名バレエ団のプリマをしている方のバレエ教室に通っていました。

私は、小さい頃、近くにバレエ教室がなくて、大人になってから、某有名バレエ団のプリマをしている方のバレエ教室に通いました。

一応ピアノがやれたので、その教室(RAD方式で、生ピアノのレッスン)でバレエピアニストの仕事も2年ほどしていました。

 

時折、先生がぼやくことも。

 

”ここ3ヶ月、バレエ団からお給料がもらえなくて、実家に今も頼ってるの。踊りのためには教える時間を減らしたいけど、生活のためにはそうもいかなくて”と。

 

都心の大きな劇場の真ん中に立つようなプリマバレリーナでも、日本では食べていくことがとても厳しい。でもその一方で、こんなことも言っていました。

”男性ダンサーは、運動神経がよければ、高校生から始めても間に合う。しかも、男性は常に足りないからいろんなところに客演できる、ちゃんと踊ることで生活できるのよね”って。

 

 

その話を聞いたのは、もう20年ほども前ですが、少しだけましになったのかな。でもダンサーの多くは今も決して楽ではないと思います。

 

 

絵の仕事で食べていくのが決して楽ではないので、こういう話にはとっても共感してしまいます。

 

速報!*ボリショイバレエ、日本公演が2020年の11〜12月に。

ボリショイバレエ、1年近くも先ですが、忘れないようにして、チケットを買わないと、です。

キリルは出るでしょうか。出ますよね。

ところで、
*キリル君、今年 年末のくるみ割り人形に、あし笛の踊り(フレンチドール)で踊るようです。ボリショイのサイトに配役が出ています。12月31日、12:00から。
インスタストーリーでも、ロシア語の配役表を Happy!の言葉と共に載せていましたね。
キリルの配役表
**ボリショイの公式サイトはとても見やすくてわかりやすく、検索もしやすいんですが、マリインスキーの方は、なぜかすごくわかりづらい。ほしい情報を得るにはどこをクリックすればいいのか?迷います。修正してほしいな。
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