NHK BS1「バレエの王子になる」を見て。極めるのは楽じゃない..

ちょっと時間が経ってしまいましたが、9/7,そして9/17の再放送と、2回、「NHK BS1の「バレエの王子になる」という番組を見ました。

ロシア ワガノワバレエ学校「バレエの王子になる」

ロシア、ワガノワバレエ学校の男子生徒、それも最終学年で、卒業試験と、就職活動にスポットを当てた、新しい視点のバレエ番組でした。

これまで、海外で活躍する、バレエダンサー個人にスポットを当てた番組は何度かありました。
でも女性ダンサーが多かったし。

今回は男性ダンサーたち。バレエ学校の様子をこんなに丁寧に、よく取材してくれたなと思います。女性版も見たいな。

 

世界最高峰のバレエ学校、しかもその学年でもトップクラスに所属する優秀な何人かの生徒たちですが、かつてボリショイバレエの花形ダンサーだったニコライ.ツィスカリーゼに厳しい指導を受けています。

 

日系イギリス人の、アロン君は身長が足りないけれど、努力と研鑽によって、周囲からは高い評価を得ていて。でもやっぱり身長が足りないから、王子役は難しいだろうと言われています。

そうかなぁ。小さな大会で、一番拍手喝采を浴びていたのは、このアロン君で、観客賞、という特別賞をもらっていました。

 

 

私が印象に残ったのは、キリル。

あまり経済的に余裕がないのか、モデルのアルバイトをしている。実家にも仕送りしているし。

長身で美しくて、モデルのバイトを始めてすぐ、ヴォーグの表紙になるほどの美貌の持ち主。

だけど、バレエはいまひとつやる気がない。集中力もない。

先生から厳しく言われるんだけど、モデルのエージェントやスタッフからはきっと、美しいとか、いいね、とか散々言われるんだろうな。そのことが、キリルをスポイルさせることになるのをツィスカリーゼはとてもよくわかっています。

 

先生は、

「君を褒める人は、君の敵だ。それを自覚しなさい。」と。

容姿の美しさを褒められるだけでは、バレエの技術も向上しないし、高い芸術性を極めていくこともできない。

それをキリルはわかっているのかいないのか。アルバイトに時間を取られて、疲れてしまうということもあるのだろうな。それでお金がもらえるのだし、まあいいか、ってなってしまうのかも。

風邪をひいて熱を出したり、やっぱりちょっとオーバーワークになってそう。卒業公演の役から外されてしまって、一人、部屋で絵を描いていたりするのを見ると、なんだかね。

 

 

私もネットショップで収入を得られるけれど、時間を奪われて、肝心の絵を描く時間が少なくなってしまう。特に、変なお客さんにクレームをつけられた時なんかは、実際の作業時間以上に余計な時間を奪われます。

でも食べていくためには仕方ない部分もあって、絵本のおはなしを書く、という点ではそのうち役に立つこともあるかもしれない。

 

 

それでもキリルは、ボリショイ劇場に就職が決まりました。がんばって。容姿も生かして、ボリショイでうんと努力して一流のダンサーになって欲しい。

どうかすると、このまんまモデルになっちゃおうかなぁ、なんて思うこともあるのではないかな、って感じますが。

 

ツィスカリーゼが最後の方で言います。

ダンサーは舞台で美しく輝く泡しか見せてはいけない。泡のなかには、血と汗と涙が浮かぶ」

「才能もコネも関係ない。ただひたすら努力することでしか、バレエの道は極められない。」

 

インスタがあったので、ときどきチェックしています。アロンもキリルもミーシャもツィスカリーゼもフォローしてる。

 

また再放送があるといいな。地上波でも放送してほしい。そしてこの人たちのその後も放送して欲しい。楽しみにしています。

 

 

 

**大人になってから、某バレエ団のプリマをしている方の、バレエ教室に通っていました。

時折、先生がぼやくことも。

 

”ここ3ヶ月、バレエ団からお給料がもらえなくて、実家に今も頼ってるの。踊りのためには教える時間を減らしたいけど、生活のためにはそうもいかなくて”と。

 

都心の大きな劇場の真ん中に立つようなプリマバレリーナでも、日本では食べていくことがとても厳しい。でもその一方で、こんなことも言っていました。

”男性ダンサーは、運動神経がよければ、高校生から初めても間に合う。しかも、男性は常に足りないからいろんなところに客演できる、ちゃんと踊ることで生活できるのよね”って。

 

 

その話を聞いたのは、もう20年ほども前ですが、少しだけましになったのかな。でもダンサーの多くは今も決して楽ではないと思います。

 

 

絵の仕事で食べていくのが決して楽ではないので、こういう話にはとっても共感してしまいます。

 

 

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